「子供の意思を尊重する」とか「子供の気持ちに寄り添う」って最近よく聞きますね。

でも子供の意思を大切にしたいと思う気持ちはやまやまでも、そういつも尊重ばかりしてられないです。自分から好きではじめた習い事も「あー、いきたくな~い」と言ってみたり、泣いて泣いて力づくで休んでみたり。その都度認めていたらただの言いなりです。

私は習い事に対しては自分自身が半分親の強制で続けていた過去があるので、娘に対しては「やりたくないならやめなさい。自分で決めなさい。」と言うようしています。なぜなら人に強制されて続けたもので結果的によかったことはひとつもないからです。

本人が決めたことは尊重して「責任とともに」行動させてみる

子どもが小さいほど本人の意思だけに任せるだけではその時々の感情に左右されてしまうし、ある程度親のサポートも必要なのだと思います。子供の気持ちは尊重するけど、その気持ちを受け取ったあと「どう見守るか」が大切ではないかと。

娘の例でいえば、泣いて泣いてどうしようもないときは、本人の意向としてピアノのレッスンを休ませました。感情が高ぶって冷静な判断もできない状態で「あなたが決めなさい」と言っても「じゃあやめる!!」となるのがオチです。

「そうか休みたいのか。じゃあ今日はお休みにしよう」
「先生には自分から連絡してね」

自分の希望が通ったことでまずは安心します。(今日はいかなくてもいいんだ)
同時に責任も持たされるので、自分の行動を客観的にとらえます。(休む理由を言う=なんで休みたいんだっけ?)

落ち着いたころにこれからどうしたいか尋ねると「続ける」と自分で決断していました。
結局話を聞くと、やめたいわけではなく、ある曲の一部が上手く弾けずに方法がわからなかった、ということでした。原因がわかったのでピンポイントで解決できましたし、その後は弾ける曲も増えてきて今では楽しんでいるようです。

子供を信じていないと「子どもの意思を尊重する」はできない

「子供の気持ちに寄り添いましょう」とひとことで言いますが、実際に実行するには子供に対して「信頼」がないとできないことに気づきます。だって行動した結果は親の期待と反対になることだってあるわけですから。子供に判断をゆだねて親が満足しない結果になっても受け入れることが求められます。

「そうか、そう決めたんだね。だけどお母さんはこっちのほうがいいと思うよ」

これでは結局本人に決めさせていないし、「決めていいって言ったのに、結局お母さんが決めるんじゃないか」とかえって混乱してしまいます。
でもね、やってしまいがちですよね…。
本当に気を付けないと子供の気持ちに寄り添ったつもりになってしまう。

親も葛藤しながら成長することで、子供を信用して行動させ、しっかり受け止めることができる

子供の気持ちを尊重するには信頼がなければできないけれど、そこには親の葛藤もあります。
「大丈夫だろうか…? いやきっと大丈夫」
母も同時に試練の時だと思うのです。

そんな親ごころを表現した素敵な絵本を紹介したいと思います。
主人公はお母さんに叱られ家出を決意したイタズラ好きのマングースの女の子。

「どこへいくの?」かあさんがたずねました。「もうすぐおひるごはんよ」
「あたし、いえでするの」マリールイズはいいました。「かあさんは、もうあたしのこと、きらいでしょ。あたらしいかあさんを、さがしにいくわ」

「そうかんたんに、あたらしいかあさんは、みつからないわよ。じかんがかかるわ。きっとおなかがすきますよ。サンドウィッチをつくるから、もっていったら?」かあさんはそういうと、クラゲいりピーナツバター・サンドウィッチをつくりました。マリールイズは、それを貝がらのはいったふくろにほうりこみました。

家出すると子供が言いだしたら「勝手にしなさい!」と突き放すか、「なにバカなこと言ってんの!」と相手にしないかどちらかかな?と貧弱な想像をしてしまうのですが、このおかあさんはなんとサンドウィッチを持たせて送り出すという予想外の対処法。ちゃんと子供の意志を尊重しながら、動揺するどころか気遣って家出をサポートするとは。・・・やられました。

子どもの意志を尊重しながら同じ目線に立つ対処法に脱帽!

潔く飛び出したマリールイズは、色々な動物のお母さんに「私をこどもにほしくない?」と聞きますが、どのお母さんにも厳しく断られます。困りこんだマリールイズは占い師のヒキガエルに頼みますが、そんな必要はないとぴしゃりと言われます。ついさっき、素敵なご婦人がこどもがほしくなったからさがしてくれと頼みにきた、急げば追いつくだろう、と。 マリールイズは一目散に駆け出します―――――――

子供を信じて送り出したもののおかあさんの揺れる気持ちは痛いほどわかります。
「子どもを信じる」って言葉でいうほど簡単じゃないから。

このおかあさん、マリールイズを抱きしめたあとにこう言います。

「かあさんも、いえでしてきたわ。うちにいてもさびしくて。かわいがったり、せわをやいたりする子がいないんだもの。さあ、これから、ふたりでどこへいく?どこがいちばんいいかしら」

「かあさんが、あたしの、ほんとうにいちばんすきなかあさんよ。おうちへかえろう。そこが、いちばんいいところよ」

「そうね。かあさんもそうおもうわ。かえったらね、ふっくらふわふわのオムレツをつくりましょう」

家出した娘を責めたり戒めたりせず、自分も家出しちゃった!とおちゃめで鮮やかなきりかえし。家に帰ることも強制しないで、どこへ行く?と子どもに聞いて子供に決めさせています

子供の気持ちに寄り添える親って、心に余裕があるようなイメージですが、その実、親も葛藤しているんですよね。自分の判断がよいのかわるいのか、どこにも答えはないのですから。

そんなときに自分でもこうありたい、と素直な気持ちにさせてくれた絵本。
もういちど子供の気持ちをたどりながら親の立場も味わうことができ、忘れていたことを思い出させてくれました。

子育てに正解はないと言われるように、自分が育てられた記憶を土台に誰もが一生懸命子育てをしています。迷ったときには本や絵本が思いがけない道しるべになることもあるでしょう。
あなたに必要なタイミングで素敵な本に出逢えますように。

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