長年勤務した会社を退職しました。
これまで何度か転職してきて、それぞれ学びがあり、かけがえのない仲間を得て、私の人生に大きな影響を与えてくれました。

その中でも今回の会社はITベンチャーで時代の変化とともに企業の立ち上げ当初から関わり、はじめての女性社員、育児休暇、在宅勤務とたくさんの経験をさせてもらいました。価値観をもって仕事をすることを学び、プライベートでも自分の価値観で生きるきっかけを与えてくれたことにとても感謝しています。

それなのに、なぜ退職したのか?
今私が考えていることをお伝えしたいと思います。

これからの働きかたを考える

今では女性が働くことはあたりまえですが、高度成長期の時代は、妻は家族の世話をして夫の収入で生活することが主流でした。国の政策はいまだ夫が家計を支える標準モデルが前提のものが多くもはや現状に追いついていません。

これからの時代、私たちや子供たちは性別に関係なく一生仕事をしていくことになります。定年や年金といった一世代前の常識は通用しません。

では、どうやって仕事を続けていくのか?
テクノロジーが急速に発達する中で、これからは、人間だからできること、人間しかできないことに仕事もシフトしていきます。私は危機感がどんどん強くなり、これから一生働いていくために何ができるだろう?と考えることが多くなりました。

収入だけでなく、自分が本当にしたいことは?
何をしているときが楽しい?
何に喜びを感じる?
少ない額でも収入源を複数持つには?

‥‥子育てと仕事の両立を最優先にしてきた私ははじめて自分に問い始めました。

昔から自立して早く自分で収入を得たいという要求が強く、親元を離れてからは扶養されるということを一度も考えたことがありませんでした。それは夫がいるいないに関わらず自分が生きていくためのお金は自分でまかなうことに変わりありません。

拠点を複数持つ

父の転勤で、東京、神奈川で過ごした子供時代、友だちと別れることに戸惑いはあっても、また新しい友だちができることを身をもって体験しました。

動いていくうちに本当に繋がる人だけに選別され、人間関係は密度を高めて広がっていきます。地方へ移住したときもそれほど抵抗はなく、新たな地でどんな人と繋がるのか不安よりも興味が勝っていました。

その中で起こった大震災。
今まであたりまえの暮らしが一転することを誰もが目の当たりにしました。
実家近くで手に入らない日用品は私から送りました。余震が続く中、今後も震災がきたら狭いけど私たちの住む場所に来たらいい。と本気で考えました。

これからどこで何が起きてもおかしくないのだから、「自分が住む場所はここだけ」と決めずにいつでも動けるようにしたい、と思う気持ちが強くなりました。

インターネットを介した在宅勤務を経験し、まだ課題はあるもののこれから仕事をするうえでますます距離は関係なくなる。そして実際に地方で暮らして素晴らしい人たちとネットワークを創れたことで、本当に大切なのは、「どこに住むか」ではなく「どんな繋がりを持つか」であることを実感しています。

単なる旅行ではなく、そこに住み、人と繋がることで拠点を増やしていきたいと考えています。

多様な価値観を知る

私は自分以外の価値観を知ることはとても大切だと思っています。
一番衝撃を受けたのははじめて海外で過ごしたときです。

肌の色、髪の色、文化、宗教、考え方…本当にさまざまで「〇〇人」と括れないこと。それぞれの違いは大前提で、話し合い、理解する努力をし、受入れられない場合でも尊重はする。小学校からそんな教育を受ける子どもたち。

算数で電卓をたたく姿においっ!とツッコミながらも、私は計算を解くのは彼らに負けないけれど、意見の違う人々といかに理解し合い、自分の頭で考えることをどれだけ身に付けてきただろうか?と問いました。

また、「やりたくなければやらなくていいよ?」と子供に声をかけられたときの小さな違和感。そんな選択肢ってあるんだ。やりたくないことも理由をつけてしょうがなくやったり、やらなかった自分を責めたり。「~しなければならない」という半ば強制で動いてきた自分にとって、もっと自然体でいいということに気づきました。

もっとシンプルでいい楽しんでいい
自分の気持ちをどんどん複雑にしていたのも自分自身でした。

日本で働き日々の暮らしに忙しくなると、海外で感じたこともだんだん薄れていきます。
でもどこかで感じた違和感や疑問はやはり消えることはないんです。
海外に出ることではじめて見える日本の文化、教育、自分の思考、習慣。

外に出ないことには自分のいる場所が見えません
別に海外でなくとも、自分の家、町、コミュニティを出てはじめて良いところも悪いところも見えるようになる。そして初めて選択肢が出てくるのではないでしょうか。

娘には「同じ場所にずっと住むことはないこと。必ず海外に出ること。」と物心つく前から話をしていきました。彼女が母国語である日本語を身に付け論理的に思考ができるようになった今、少し海外に出てみようと思うようになりました。

何歳からでも挑戦する

40代の自分にとって今から大きな挑戦をしようとすることは無謀かもしれません。
でもそれも思い込みなのではないかと考えるようになりました。
「何歳だから~でなければならない」の公式が無意識に刷り込まれていると思うのです。

退職してこれからのチャレンジを友人に話すとおもしろいように反応がふたつに分かれます。

「すごく勇気をもらった!私も挑戦する!」

「いまさらそんなことして、絶対後悔するよ?」

意見によってそのひとの考える価値観が見える。
どのような感想であれ私たちを想ってくれるからこそ。
それぞれの価値観に沿ったひとつの考えとして受け取っています。

今までの常識では、40~50代、人生の成熟期に向かって収入も生活も安定することが「正しい道」とされるのでしょう。子供がいるなら大学にお金がかかる時期ですし、老後の貯蓄を確保する時期になるからです。

私の意見は、これからの働きかたで触れたように、一生働いていく時代は働きかたの価値観がひっくりかえる。今までの常識が通用しないのだから、とにかく模索すること、行動を起こすことがなによりも重要だということです。

行動を起こしたときの「失敗」の捉え方によっては後悔が存在するかもしれません。
でも、自分で決めた行動の結果を引き受ける覚悟があれば後悔はしないでしょう。

自分で選んだ道をベストにする

今までいろんな道を選んできました。
そのときそのとき不安はあったけれどすべて自分で決めたことが私の根底にあります。

ここまで歩んできて思うことは、「こうする」と決める意志をもつこと。
色々な想いがよぎるけれど「選んだ道をベストにする」と責任を持つこと。
不安は自然に湧くもの。小さくてもいいから「まずはやってみる」と行動を始めること。

行動すれば色々なことがものすごいスピードで動きだします。
変化があればそこでまた考えればいい。

ともすると、何か始めるときに私も天秤にかけてしまいがち。

損か得か。 近道か遠回りか。

それよりも道の向こうに何があるのか?
ワクワクする気持ちをもっと大事にしていきたいと思います。

人生には失敗はありません。
自分が選んだ道、あなたが選んだ道が正解。

うまくいかなければその場で別の方法を試していけばいい。
様々な価値観の人に出逢い、自分の頭で考え、何歳になっても挑戦できることを今後もお伝えしていきたと思います。

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