企業のマーケティングでもっとも重要なことは「ポジショニング」です。
つまり自社の商品は市場のどこに位置しているのか?ポジションを定めるということです。
これが決まらないと、誰に何をどうやって伝えていくのかがブレてしまいます。

商品の立ち位置がわからないものは売れない、ライバルの動向を常に追いかけ振り回される

雑誌やCMの広告を見ていると、この製品のターゲットは若い女性なのね、子育て層なのね、となんとなくわかりますよね。ターゲットが自分とドンピシャだと、「ん?なんか気になる。欲しいかも…」と感情が動くことがあります。それは、企業側は製品をリリースするまえにポジショニングを決めて、ペルソナという具体的な人物像を設定したうえでマーケティングを行っているからです。

もしポジショニングを決めずに製品を売り出したらどうなるでしょう?
若者から老齢まで男性も女性も買ってくれるひとは誰でも歓迎!なんてことをしていたらターゲットに届かないどころか、競合他社の動きすべてに反応しなければならず顧客を度外視した行動をとるようになります。他社が新しいことを始めたら「うちもしないと負ける!」とあわてて競合を追いかけなければいけません。

ではポジショニングがはっきりしていたらどうでしょう?
ターゲットを定めて正しく発信すれば情報もきちんと届き、さらには競合他社のうごきにも正しく対処できます。自社製品の立ち位置が明確なため「あの機能は私たちのお客さまには必要ない」と冷静に判断ができます。シニア向けに携帯電話の文字を大きくした企業に反応して、「うちも大きくしないとシニア層に売れない!」などと慌てることはなくなるわけです。

自分のポジショニングを明確にすると現実が近づいてくる

この考え方を個人に置き換えてみるとどうでしょうか?
マーケティング用語で戦略的なイメージがあるからか、「自分をポジショニングする」というとなにか小賢しい計算した行動を考える方もいるかもしれません。でもそんな用語は知らなくても自然と自分をポジショニングしていることってありますよね。

例えば3兄弟の真ん中の男の子。兄ほど注目されず弟ほど相手にされないからお調子者になって家族を笑わす役になろうと心に決めてお道化てみる。小さいなりに自分のポジションを決めて親や家族にその存在をアピールするなんていじらしい…。目的はお母さんに構ってほしかったのかもしれないけど、自分なりに立ち位置を決めたら実際にそのようになっていく。
自分で決めた方向へ現実が近づいていくのですね。

自分の立ち位置を決めてシンプルに。抱えたものを手放す生き方を手に入れる

あふれる情報に埋もれて思考も人間関係も必要以上に抱え込んでしまっているなら、自分のポジショニングを今一度考えてみましょう。

  • 私はどんなときに幸せを感じるのか
  • 私はどんな女性になりたいのか
  • 私はだれとどこでどんな人生を歩んでいきたいのか

今の状態や過去にしがみつくのではなく、視線を前に未来のわたしをターゲットに定めます。
そこに見えるあなたはどんな表情で何を考え言葉にし、どのような気持ちで日々過ごしているでしょうか。はっきりイメージできるようになれば周りの情報に右往左往することも、周りの行動に焦ったりむやみに反応することもなくなります。

製品やサービスのことを思い出してください。
ポジショニングしていないとターゲットに届くこともなく日々競合の動きに振り回されます。
何を強化してどう売ればいいのかわからないまま運だけを頼りに売ることになるのです。

「自分の立ち位置はここ。」

位置と進むべき道がわかれば、大切にするもの、捨てるものが明確になります。
一時の流行や世間の気まぐれな流れにザワザワと不安になる必要はありません。
不要なものはどんどん手放す。自分が決めたものに現実が近づきます。
自分のポジショニングを明確にしてシンプルな生き方を手に入れましょう。

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