以前、40代女性のファッションについて投稿したところ、結構読んでくださる方があり、お問合せもいただきました。多くのアラフォー世代が服のこと、ファッションのことで同じような悩みを持っているのだと感じています。
この記事でわたしが提案したのは次の3つです。
- プロのセンスを取り入れよう!スタイリスト目線で服を提案してもらう
- 自分だけのパーソナルスタイリストを持つ
- 年齢問わずの優れもの。思い切って「着物」を取り入れてみる
私は数年前からパーソナルスタイリストの方にお洋服の提案をお願いしています。
「本当に好きな似合う服を、少しだけ手元に揃える」という私の希望を叶えてくださる大切な方です。そして先日、スタイリングとあわせて彼女に直接お話しを伺ってきました。
私と同じようにファッションの悩みをもつ方に少しでも参考になれば嬉しいです。
Contents
40代ファッションの悩みをパーソナルスタイリストに直撃!
― 女性は40代になったとたん、「今まで着ていた服が似合わなくなった」と悩むひとが多いと感じています。
「そうですね。40代から…最近では30代後半から自分がわからなくなる方が多いですよね。
メディア、雑誌、そして市場、こういった外的要因に惑わされることが多いからではないかと私は思います。」
― 情報に振り回されている、ということでしょうか?
「はい。ファッション雑誌が提案するスタイルをそのまま真似してみてもなぜかしっくりこない。なぜか? それは表面上見えている洋服だけに注目しているからです。「モデルが綺麗だから私には似合わない」と短絡的に考えがちですが、そういうことではなくて、その服を着るために整えられたもの、つまり、その服をまとうための姿勢や体、生活、空気、生き方…といったものがとても大切な要素になっているのです。」
― 服を着るための体を整える、生活を整える、ということですか?
「そうです。あなたはどうありたいのか? がとても重要なのです。
どのような自分でいたいのか?自分をどのように見せたいのか?ということです。
自分の目指すイメージを具体的に持たずに、ただ今流行っているからという理由で服を選ぶひとは年を重ねるにつれて自分に似合う服がよくわからないと感じるようになるでしょう。」
― 自分がどうありたいか?私も大切にしている「自分軸」に通じるものがありそうです。
「ブログを拝見してとても共感しました。
わたしは「洋服は魂をつつむもの」であると考えています。まさしく服は自分の生き方そのもの。自分を考えることとファッションはとても大きく関わっています。」
― 魂をつつむ。 とてもとても深く響きます。
だからでしょうか、スタイリングの際には、私が持つ体のコンプレックスに対してもそれをさらに魅力として引き出し、より私の内面をみつめて提案をしてくださる姿勢をつねに感じていました。
今までの服が似合わなくなった自分にプライドを持つ
― お話しを伺っていて、自分軸がないと年齢とともに似合う服がわからなくなる、というのがわかりました。ただ、ある日いきなり「今までの服が似合わない」と感じることがあります。体型やサイズがそれほど変わっていないのになぜでしょうか?
「まず、今までの服が似合わなくなったと思える自分を誇りに思いましょう。」
― 誇り…といいますと?
「『似合わなくなってしまった』ではなく『似合わない私になった』ですよ。このニュアンスわかりますか? 自分が変わったのです。あなた自身が変化したのだから洋服も変わって当然。ファッションは生きているの。だからつつまれているあなた自身の微妙な変化も服は見逃しません。」
― 自分の内面が変わったから!
似合わない理由を肌のくすみやたるみなどネガティヴなことのせいにしがちですが、そうではないと。
「からだの変化は徐々にあらわれますが、ある日突然ではないですよね。若いうちは無理もできますが、30代後半から40代はある程度経験を重ね、これからの生き方、自分軸を考える年代です。実際には前から似合わなくなっていたんです。でもある日それに気づいた、ということです。」
― すごい発見です。生き方とファッションがみごとにリンクしました。
似合わないことを哀しむのではなくて、むしろ歓迎すべきこと。
自分が変化したことにプライドを持つ、ということですね。
骨。喉。脂肪。からだの中からスタイリングが始まる
― ところで、初回洋服の上から体のラインを触っただけでぴったりのサイズをお勧めいただいたのには驚きました。
「お電話のお声で大体サイズがわかるのですが、これは感覚的なものです。
実際にお会いしてボディの肉付きを触診すれば一番きれいに見えるサイズをご提案します。」
― 声でサイズがわかるのですか!? 骨格が関係しているのでしょうか?
「いつの頃からかお声をきけばおおよそサイズがわかるようになりました。
自分でも説明できないのですが、おそらくおっしゃるとおり骨格と喉の周りの脂肪の量にも関係するのかな?と思ってます。」
― 素晴らしい! 体の中からスタイリングが始まっているようです。
骨格は生まれつきと思いがちですが、姿勢を正すことは骨にも声にも影響をおよぼしますね。
長い安定期が終わり、これからは激動の時代に。
― 40代以降はどうしてもお腹周りが隠れるチュニックに頼りがちになっていました。
「チュニックは長い長い安定期が続いたのち終わりを迎えました。
着る側も気になる部分を隠せるという理由で買いやすく、売る側も体型を選ばない理由で売りやすいものでした。しかし、この長い安定期は終わり、現在はワイド系のボトムにショートトップが主流になっています。ワイドやガウチョ、バギーなど様々な種類が出てきているので自分に似合うスタイルを見つけることが必要です。これさえ着ていれば無難というものはなくなりました。」(注:2017年夏現在)
― たくさんある中で自分に似合うベストを選ぶことが苦痛になるひとはどうしたらよいでしょう?
「一番よいのはパーソナルスタイリストをつけることですが、好きなブランドの店員さんにこれからのファッションの流れや提案をお願いするのもよいでしょう。そのとき「自分だったらこの服は着ないな」という服を勧めるてくれるかどうかがポイントです。お客さまがよいと思うもののサイズ違い、色違いを持ってくるのは誰でもできますが、「お客さまにはこれも似合いますよ」とプラスアルファの提案をできるひとは多くありません。」
― あ。よく私も「これですか!?」という服をお勧めいただきますよね。
「そう。お客さまもまだ知らない自分に出逢ってほしいのです。そうすればどんどんおしゃれが広がって楽しくなるでしょう? これはスタイリストの学校を出たからといって誰でもできることではないの。いかにお客さまひとりひとりを客観視できるかが重要なんです。マネキンではなくてお客さまは生身の人間ですから。もうひとつ大切なのはお客さま自身が賢くなることです。「もうチュニックは終わったので私に似合う服を提案してください」と言ってもいいですよ。」
― なるほど。消費者が賢くならなければいけないのですね。
「はい。私は起業するときに「お客さまを育てたい」と思ったんです。
今まで数多くのスタイリストを育ててきましたが、さきほどの客観視ができるひとがとても少ない。誰もができることではないのです。ですからお客さまが賢く選択できる力をもてばもっと早く世界を変えていくことができると思ったんです。」
―とても素敵な想いです。なんでも勧められたらチャレンジしてみるといいですね。
「はい。あのときのご提案も今ではとても気に入ってくださっていますよね。
なんでも挑戦してみること。まず着てみること。そして最初に感じた「直感」を信じてください。いいな!と思ってもそのあと出てくる「でも年齢が…」「周りの目が…」といった感情は無視してよいです。逆に「最初になにか違う」と思ったらそれを信じること。」
― 直感!また響く言葉が。どんなことでも直感が導いてくれると感じます。
「直感ってなんとなく場当たり的なイメージがあるかもしれないけれど、40年近く生きてきた人生で積み重ねたデータをもとに判断しているものだから、その選択には裏付けがあるのです。だから大丈夫。自分を信じて、なりたい自分を描いておしゃれを楽しんでくださいね。」
普段はコーディネイトを宅配でお願いすることも多かったので、久しぶりの再会でしたが、それまでの時さえも感じないほどに濃厚な時間でした。
洋服は魂をつつむもの。
似合わなくなったと思える自分に誇りを持つ。
お客さま自身が賢くなること。
最初に着たときの直感を信じる。
とてもわたしの心に響いた言葉たち。
そしてなによりも私の考える「生き方」と深い、深い繋がりを感じました。
こうしてブログを書くことが、お互いを知るきっかけにもなることをあらためて感じた瞬間でした。私たちが共有したこの想いがまた誰かのもとに届くのであればとても嬉しいことです。
ファッションに関して聞いてみたいことがあれば、問合せページからご連絡くださいね。
40代、50代… 年齢を重ねることが楽しみになってきました!
なりたい自分をイメージしながら自分のおしゃれを楽しんでいきましょう。
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