先日こんな記事を書きました。
この「元にもどれないリスクが怖い」って結局のところ、生きていく最低ラインが確保できなくなるということです。つまり、食べていけなくなって究極には死んでしまう恐れが根底にあるのだと思います。
でもそんな恐れもこれからは本当になくなるかもしれない、と佐藤航陽さんの「お金2.0 ~ 新しい経済のルールと生き方」を読んで感じました。
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「お金のブロックを解除してお金を引き寄せる」では納得できない
起業ブームもあってか「お金のブロックを外しましょう!そうすればお金がどんどん流れこんできます!」というキャッチを最近よく目にします。
当人は本当に経験したのかもしれないし、事実そうなのかもしれませんが、「お金のブロックを外す」っていったいどうやって??と思いませんか。
今生きているひとは生まれたときから「お金」が経済の中心です。
お父さんお母さんも家族を養うために働く姿を見てきて、自分たちもなるべく多くのお金を手に入れるために勉強勉強!と追い込まれ、就職できたとかできないとかに一喜一憂してきたわけです。
とくに日本は消費ありきでお金がなくては始まらないと信じやすく、メディアも煽って煽ってお金がすべて!という空気がいっぱい。
さらに育った家庭環境によっては「お金」ゆえに味わった辛さや悲しい感情をそう簡単に手放すことはできないですよね。
私もそうです。「お金がなくてもぜんぜん大丈夫~」とは心の底からは思えません。
行動できない理由に「お金」を言い訳にはしないけれど、やっぱりある程度お金は必要だと思います。
だれしも「仕事」「お金」の不安を大なり小なり持っている
結局、仕事はお金のため、お金は食べるため、だからどちらも手段であって最終目的ではないのですよね。
目的は「食べていけること」であってそれが最低ラインではありますが、さらには友人と会って食事したり、欲しいものを買ったり、旅行に行ったり…と人生を楽しむことができる収入を確保したいということでしょう。
私もそれだけの生活ができれば十分です。
あり余るほどのお金を持ちたいとは思いません。
お金はあればあるだけよい、というひとはおそらく「何かあったら大変だから」という理由ではないでしょうか。病気、怪我、入院、介護…何かあったら、の「何か」はネガティブなものが多いです。そして、人間の脳は考えたことを実現する性質がありますから本当にそのとおりになります。
仕事やお金を失うことは人によってそれぞれレベルは違ってもいつも恐れと隣り合わせということです。
経済システムのパラダイムシフトで「仕事」「お金」の不安から解放される
佐藤さんは1986年生まれ、株式会社メタップスの経営者です。まだ30代と若いながら難しい概念をとてもわかりやすい言葉で表現され、本当に頭が切れる方だと感じます。
彼は、世の中の仕組みに対して常に仮説→自社で実験→あらたな疑問→仮説→実験…を繰り返してきたと言っています。その過程で世の中のうごきは「同じ構造」で動いていることがわかってきた、それは「お金」「感情」「テクノロジー」の3要素が未来の方向性を決めているというものです。
衣食住が満たされた今の時代、人生の目的や意義を見いだしにくい。
これからは人間の内面や社会をよくする活動に価値を見いだす「価値主義」に変化していく。
利益を最優先する資本主義と逆に、人間の内面的な価値=共感、信頼、感謝などの感情を重視してお金が動く。そうなると、金銭的なリターンよりも情熱で動いているひとにお金が集まるようになる。
好きなことを仕事にしないと今後はお金が稼げなくなる、と言われたらどうでしょう?
「考えが甘い!仕事は辛いものだ」と認識する世代はきっと反発するし、実際に親から反対される人も多いですよね。
『仮想通貨やトークンエコノミーの普及によって、目に見えない価値もネットを経由して一瞬で送れるような仕組みが整いつつあります。ものやサービスが飽和して使用価値を発揮するのがどんどん難しくなり、多くのミレニアル世代が人生の意義のようなものを探している世界では、内面的な欲望を満たす価値を提供できる人が成功しやすくなります。』
引用元: 「お金2.0 ~ 新しい経済のルールと生き方」より
今注目のビットコインなどの仮想通貨やネット環境などテクノロジーは整ってきている。
あとは自分が情熱を持てることに注力するだけ。
でも、好きなことがわからないというひとは結構いるのではないでしょうか?
これからの時代「自分の好きなものがわからない」というのは大変なリスクになりそうです。
長いあいだ自分の気持ちを押し殺していると、本当に好きなことも楽しいこともわからなくなってしまう。
私も経験したこらこそ、自分に正直になることはなによりも大切だと考えています。
AIやコンピュータに仕事をとられた人はどうなるの?
しかし疑問が残るのは、好きなことでお金を稼げないひとはどうするの?ということです。単純作業はAIや機械に置き換えられ、仕事がなくなったひとたちの行方が今まで想像できませんでした。
佐藤さんの仮説ではその答えが用意されています。
・国が最低限の生活費を保証するベーシックインカムが広がる
・Googleなど巨大企業がデータと引き換えに生活インフラを無償で提供する
・トークンエコノミーなど多様な経済システムを選べるようになる
どれも今時点では本当?と思うかもしれませんが、世の中の断片をみていると少しずつ動きを見せていることは確かなので私は妙に納得しました。
自分自身と本気で向き合うことで「恐れ」が消えていく
他にも本書で共感するポイントがたくさんありました。
その核となるものは「価値主義の到来にむけて自分の価値を見いだし、大切に育てていくことがなによりも大事」ということがメインメッセージだと感じました。
若い世代のひとたちはすでに動き始めていますが、これからは世代に関わらずだれもが自分自身と向き合わなくてはいけなくなるのでしょう。
「自分を知ること」
そうすることでお金に対する不安、恐怖、恐れを手放していけるのだと思います。
私も感じていた感覚のようなものが明確に言語化されていたのでとても共感した本でした。
おすすめですのでぜひ機会があれば読んでみてくださいね。
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