「自己肯定感」とか「自尊感情」とか最近よく聞きませんか?
ありのままの自分を受け入れる根拠なき自信、つまり「自分が好き」という感情のことで、この自己肯定感が低い、自尊感情が低い子供は大人になっても生きづらさを抱える傾向があります。
自己肯定感の高い子供になってほしい。
子供には自分に自信を持てる人生を送ってしい。
親ならきっとそう願いますよね。
でも具体的にどうすればいいの?
育児書には「褒めて育てましょう!」「ホメホメ育児のすすめ」とあるけど、とにかく褒めていれば自己肯定感は育つのでしょうか?
私は、娘がまだ保育園のころに「これはすごい!」と感じて今もなお親子で楽しんでいるアニメがあります。あたりまえですが娘はもう幼児向けの番組には振り向きもしません。そんな中で異色を放つのが「おさるのジョージ」。娘ならず私も喰いついてしまうアニメーションなんです。なぜ大のオトナのわたしがそこまで惹きつけられるのでしょうか?
Contents
好奇心旺盛なジョージは人間のこどもそのもの。子育てに通ずるヒントがいっぱい
おさるのジョージは、H.A.レイ、M.レイ夫妻の原作をもとに 制作されたアニメーションです。
身の回りにあるものに興味津々でなんでもやってみたい!と好奇心旺盛な小さなおさるは毎回騒動をおこします。
ジョージと暮らす黄色い帽子のおじさんは、ジョージが引き起こす騒動に困り果てながらも状況をちゃんと説明し、どうすればよいか一緒に考えます。問題を解決するジョージを常に応援し笑顔で見守るのです。
日々の不思議や疑問をそのままにせず、なんでもやってみたい、知りたい、確かめたいと思う姿はまさしく人間の子供と一緒!そして騒動が勃発するのもお母さんたちは身に覚えがありますよね。ああ~こんなときに・・・なぜ今・・・・時間がないのに・・・・。
そう、そんなときを狙ってか子どもたちは小さな事件を繰り広げます。
育児書よりも勉強になる黄色い帽子のおじさんの愛情と行動
私が魅了されてしまうのは、騒動が起きたときの黄色い帽子のおじさんの行動です。
気づいたときにまずやってしまいがちなのは「なにしてるの!!」「どうしてこんなことをしたの!!」と子どもを責めること。
でも黄色い帽子のおじさんは、いきなりジョージを責めたりしません。
「ああ!なんてこった。大変なことになったぞ!」
私たちと同じように動揺はすれど、いきなりジョージに向かって感情的にはならず、ただ素直に自分が置かれている状態を伝えて感情を認めるだけです。
その困ったおじさんの姿をみて、ジョージは「あれ、ぼく大変なことをしちゃったのかな?」と自らの行動を振り返ります。
おじさんは、「ジョージ。これはこういうことなんだ。ああ、どうすればいいのだろう…。」と頭を抱えながらもことの重要性をきちんと説明します。
ふんふん・・・と頷きながら説明を聞くジョージにひとつの妙案が浮かびます。
そして考えたらすぐ行動!問題解決に自ら動き始めます。
育児書には何歳になったらこんなふうに接しましょう、と紋切り型の情報が並んでいますよね。それよりもおかあさんたちは問題が起きたときにどう対処するか?世間体を前提とした表面的な対応ではなく、子供も親も納得してさらに関係性が深まるような関わり方を具体的に知りたいのではないでしょうか。
黄色い帽子のおじさんのジョージに対する姿勢には愛情があふれています。
起こったことは事実として受け止めますが、結果をどうこういうのではなく挑戦すること、自分で考えることをとても大切に思っていて、ジョージの判断や決断を尊重していることが表情や言葉から伝わってきます。
親が発する言葉が子どもの自己肯定感・セルフイメージに直結する
同じような状況で以前の私がその場に遭遇したらどのような行動をとるだろう?
私を例に黄色い帽子のおじさんと行動を比較してみます。
-----騒動勃発-----
「なにしているの!」と必要以上に大きな声で怒る
↓
子どもはいきなり怒られてびっくりする
↓
「なんでこんなことになったの!」と相手に説明を求める
↓
子どもが泣き出す(しばらく泣き続ける)
↓
相手にイライラしながらも自分にもイライラしている
-----騒動勃発-----
「ああ、困ったぞ!」と自分の状況を伝える
↓
ジョージはおじさんの困った姿を見て考える
↓
「これがないとXXXできないなんだ」と自分の状況を伝える
↓
おじさんを助けるために自分で考えて行動を起こす
↓
ジョージを信じて一緒に考え行動する
決定的に違うのは、私は「あなたメッセージ」を発信していること。
不自然ですが隠された主語を入れるとこんな感じです。
「あなたは何をしているの!」
「あなたはなんでこんなことをしたの!」
一方、黄色い帽子のおじさんは「わたしメッセージ」を発信しています。
「ああ、私は困ったぞ」
「これがないと私はXXXできないんだ」
前者は相手に答えを求めています。
同時に非難しているので相手の心理は一瞬で固まってしまいます。
後者は相手に答えを求めていません。
相手の心理に踏み込んでいないので自由に考えを巡らせています。
親が発する言葉は子どもの自己肯定感やセルフイメージに直結します。
いきなり怒られて責められる子供は自分の選択がいけなかったことを学びます。
もう同じような失敗はしたくない、と挑戦する意欲がなくなっていきます。
こうして自信を失くし「自分はダメなんだ」とセルフイメージを重ねていきます。
ジョージはおじさんの信頼という安心感の中で思う存分、すきなだけ挑戦します。
結果はどうであれ関係ありません。失敗してもまた自分で原因を考えて行動します。
そうして自信が積み重なり、やがて確固たる自己肯定感が備わっていくのです。
言葉のかけかた次第でこんなにも行動、自己イメージが変わります。
自分が発した言葉が子供の将来に付きまとうなんて想像したくないですよね…。
でも気づいたのなら大丈夫。意識しながら自分の生活に取り入れていけばいいのです。
日本語は主語が曖昧でも通じてしまう便利な言語なのですが、それゆえに言葉の軸がどこにあるのかぼけてしまうことがありますね。自分で気づけるような習慣をつけるための方法がこちらの記事にありますのでご参考にしてくださいね。
答えは子どもの中にある。ああしろ、こうしろと指図せず信じて見守ればいい
最終的にジョージは自分の力で問題を解決し、黄色い帽子のおじさんもジョージもハッピーエンドになります。問題がおきたとき、おじさんはジョージに「ああしなさい」「こうすればよい」などのアドバイスは一切しません。ただひたすらおじさんを助けたいためにジョージは自分で考えます。
答えは自分の中にあるんです。
親はいちいち教えてあげようとしなくてよいんですね。
なにか教育とか躾という大義名分で子どもを上下関係に置こうとします。
でも、子供たちは自分で考えて解決する力を持っています。
なんでもやってみて失敗して、原因を考えて、また挑戦する。
ぜったいにあきらめない。それがこどもの本当の姿です。
親は自分の状況をわたしメッセージで伝えるだけでいいんですね。
そして信じて待つ。
どんなときも褒めればいいわけではありません。
なにかを乗り越えたとき、ジョージでいえば自分で蒔いた種であるにせよ騒動の収拾を自分で考え、行動し、挑戦したことを褒めてあげればよいのです。
子供には挑戦する力、解決する力が備わっていることをまず信じる。
そして心から子供たちを信頼することに集中しましょう。
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