おそらく皆さんは日本で小中高校を卒業し、短大、大学、また専門学校などを出て就職された方が多いと思います。この敷かれたレールはあたりまえのように私たちの中に横たわっていて、小さいころから周りと同じであることに何の疑いもなくその上を歩んでいます。
今では「新卒ブランド」という言葉が存在するほど就職できずにブランクが空くと人生に負けたと結論付けてしまう風潮もあります。そして未来ある若いひとたちが自らの人格さえも否定してしまうことも少なくありません。親の立場からすれば、自分の子供たちにも起こり得る不安があるのです。
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レールにまた戻れるのか?を考えるとリスクは取れない
でも日本を一歩出てみると、あえてブランクを自ら作って人生を楽しんでいる人たちはたくさんいます。この違いはどこから来るのでしょう?
- 人生のとらえ方の違い?
- 社会のしくみが違う?
- 個々人の価値観の違い?
日本と海外はそもそも前提が違うのだから比較するのはおかしいという意見もありますが、自分の存在さえ危うくする日本の就職活動や労働状況をみていると、別の世界があることを知るだけでも価値があると思うのです。
多くのひとが一度は敷かれたレールを離れてみたい衝動に駆られるのかもしれません。
しかし実際に行動に起こさないのは、「またもとに戻れる保証はない」という不安がつきまとうからではないでしょうか?
また同じ道に戻れるのなら挑戦してみようという気持ちも湧くかもしれませんが、その後の保証が何もない現実に向き合うと、極端に不満があるわけではない日常を手放すことはばかばかしく感じるものです。
では、次の保証がないひとたちはどうやって行動を起こしているのか?
「コンフォートゾーン」の外に出るには?
私の場合、人生を俯瞰してみたときに、正しいと思い込んでいたレールを外すことはむしろ人生を豊にするのではないかと考えています。よくいう「コンフォートゾーン」の外にでることで新たな発見、成長があると言われるものです。
まさに私自身、現在もレール外の人生を歩んでいますが、そのような行動はあえてレールの外の世界を生きる人たちを見てきたからかもしれません。
単純に彼らは楽しそうです。そしてレールの外の世界を熱く語ってくれます。彼らが感じた豊かさが伝わってきて「こうでなければならない」という思い込みが溶けていきます。
そんな経験をすると、どこにも寄り道をせず歩くことに疑問が芽生えてきます。「なぜ?」が生まれてはじめて人間は自発的に行動に移すことができるのではないでしょうか。
人生の寄り道で得られるものは計り知れない経験になる
では、人生の寄り道とはなんでしょう?
それは、「本心でやりたいこと」です。
理屈ではなくてやってみたいけどできない理由を並べて押し殺しているもの。だからひとによって「なんて無駄なことを!」と言う人もいれば、「それこそ価値がある!」と言う人もいる。
私が今までに出会ったひとたちをいくつか挙げてみたいと思います。もちろん彼らと同じ行動をとる必要はないけれど、自分にとって最高の寄り道はなんだろう?と考えるきっかけになれば嬉しいです。
事例1:小学校を休学して原住民と暮らした家族
私がオーストラリアで出逢った家族は3人の子供たちが小学生のころ学校を休学して、アボリジニ(オーストラリアの原住民)の住む中心部、アリススプリングスに引越して1年間暮らすという経験をしていました。小学校の休学というのは日本では聞いたことがありませんよね。その期間は両親が子供たちに勉強を教えていました。
なぜ、そのような選択をしたのか聞いてみると、「自分の国の歴史を知ることが大切だから」と言っていました。オーストラリアには原住民がいたが、都心で彼らを見ることはなく私たちのような白人が住んでいる。自国がどのような経緯で成り立ち、今に繋がっているのかを子どもたちに伝える義務がある、と。彼らとは文化も言葉も違ったけれど、素晴らしい経験だったと当時中学生、高校生に成長した子供たちが話していました。
事例2:大学前に世界を旅して自分を見つめる学生
こちらもオーストラリアの旅先で出逢ったドイツ人の女の子。
学校の休み期間にひとり旅をしていている人は多く、旅先で出会って意気投合すれば一緒にご飯を食べたり観光をしたりしていました。彼女はギャップイヤーといって、大学入学前に海外に出て様々な価値観を持つ人々との体験を通して自分を見つめるのだと言っていました。欧州では珍しくないようですが、当時自分はその年には何をしていただろう?としばし考えてしまいました。
海外旅行というとまず「お金が…」と考えてしまいがちですが、彼らはバスで移動し、ユースホステルに泊まり自炊して、なるべくお金を使わずに旅することを心得ています。
事例3:仕事を辞めてバックパックで世界を回る夫婦
私の日本人の友人はアメリカ人の夫とふたり、仕事をやめて世界を回る旅をしていました。
この夫婦もバックパックでお金をかけずに、はじめて訪れる国、はじめて使う言語で人々とコミュニケーションしながらとても豊かな時間を過ごしていました。
日本に戻って一から仕事をする不安はもちろんあったと思いますが、それよりも、今目の前にいる人とそのときだけの瞬間を大切に過ごすことを教えてもらいました。彼女はいつも視点が広く、日本の常識に縛られることなく発想が自由です。
レールに戻るのではなく「新しい道」を切り開こう!
レールを外れるのが怖いと思うのは、とりかえしがつかなくなる「恐れ」が常につきまとうから。恐れは不安を生み、不安は変化を嫌い、現状維持を好みます。
けれど、少しでも外に目を向けることで、恐れは虚構にすぎないと気づくかもしれません。だってまだ起きてもいないことなんですから。想像や思い込み、親の言葉が恐れをつくりだしていることもあります。
ここに挙げた事例は、海外や外国人だから日本とは勝手が違う!と思うかもしれません。
でも日本にいても新しい道を歩くことは可能です。
たとえば、学校でのいじめ。
変化を拒めば我慢して今の状況に甘んじるだけ。
でも転校しなくても環境を変える選択肢だってあるのです。
行動を起こすひとには恐れはないのでしょうか?
きっとみな同じように怖いという気持ちは大なり小なり持っていると思います。
でも、リスクを承知でも行動するのは、その先にあるあたらしい世界を見てみたいからではないでしょうか。
実際に動いたからこそ行けた場所。会えたひとびと。出会えたチャンス。
それらは元のレールよりも楽しく面白い場所かもしれない。
いえ、彼らには「楽しく面白い人生にしていこう!」という覚悟があります。
そして実際にレールの外を経験したからこそみつけた新しい道を歩んでいます。
女性が心おきなく挑戦できる時間は意外と少ない
挑戦したいと思ったときに自由にチャレンジできれば最高だけれども、人生には様々なステージがあります。特に女性はどんどん役割が変わり、自分だけのために時間を使える期間はとてもとても限られていますよね。
でもだからといって諦めてしまうのではなくて、すでにひとりの人生でないのなら、これからの生き方を正直に話し合う勇気も必要ではないでしょうか。
すでに終身雇用、老後の退職金など過去の遺物はもうなくなり、わたしたちは生涯働くことになります。惰性だけで限りある時間を使ってしまい、自分に正直にならなかったために後悔することのないようにしませんか。
年齢は関係ないけれど、自分だけの自由な時間が持てるなら今のうちに。
もう自分ひとりの人生ではないという人も、挑戦を恐れず本当の自分に出会うために。
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