相手と意見が行き違ったり、そこからエスカレートしてちょっと言い過ぎてしまったり、そのつもりはなかったけど傷つけてしまった・・・。そんなとき、ちょっと言い過ぎたな、と思ってもなかなか謝れない。興奮しているときは相手の非ばかり見えてしまうし、たとえ自分の非に気づいたとしたとしても、それを認めるのは至難の業です。

子どもに対して感情が抑えられず、ついまた怒ってしまう。
寝顔をみて「ごめんね」とつぶやくお母さん。母となれば誰しも経験がありますよね。

感情は刺激に対する反応。それは自動的に湧き出るもの?

「つい子供に怒ってしまう」、これも子供のなにかしらの刺激に対する反応です。
でかける時間なのに着替えが遅い、ごはんなのに支度をしない、これらが「刺激」となって、母親がイライラしてつい怒鳴ってしまう、という「反応」に繋がっています。

刺激と反応って切っても切れない関係にあると思いますよね。

私は以前、梅干しやレモンをみると無意識に酸っぱさを感じるように、喜怒哀楽の感情も自動的に湧き出てくるものだと思っていました。親切にされれば嬉しいし、そうでなければ悲しい。そんなこと考えるまでもなくあたりまえだと。

でも、実は自分の感情は、そのように反応しようとして「自分で選んでいる」のです。
えっ!何度言っても子どもが動かなくて怒りだす、これも自分でイライラすることをみずから選んでいるってこと!? 誰が好き好んでイライラしているのでしょう。できたら怒りたくなんかない、そう思っているのに。

自分の感情を客観的にみつめること。刺激に対する反応を選ぶ時間をもつ

私の友人に兄妹喧嘩がはじまると、頭に血がのぼり大声で怒鳴ってしまうので、自分を制するためにトイレに駆け込む、という人がいます。数分すると冷静になって子どもたちを怒鳴らずに済むから、というのです。

私の場合はキーッとなりそうになると「イライラしてきた。うん。今わたしイライラしてる。わかった。」と自分に語りかけます。家の中なら実際に声を出してこのセリフを言います。

今まさに怒りそうになっている自分に対して、別の自分が「あなた、今イライラしてきてるね」と語りかけるイメージです。客観的に自分を見る習慣です。そうすると、不思議なことに感情的になっていた心が少しずつ落ち着いてきます。

怒りがこみあげてきたら「1、2、3…」と数をかぞえる、という対処法もあるようです。

これらに共通することは、どれも自分に一定の時間を与えていること。
つまり、感情的にならないための「間」を意識的に作っているのです。

ある刺激に対して「怒る」ことを選ぶこともできたけど、「冷静になる」ことを選んだ。
どのように反応するか自ら選択したのです。

感情に振り回されるか、感情を制するかは自分次第

友人も私も実際に感情的にならずに自分の怒りやイライラをある程度鎮めることができるということは、人は感情をコントロールできるということです。

以前の私のように「なにかの刺激に対して反応的になるのはあたりまえ」と思っているならこれは雲泥の差です。外的要因にいつも影響されていては気が休まる暇がありませんね。

今日は天気が悪いから気分が悪い、ソーシャルメディアでいいね!がないと落ち込む、挙句の果てには血液型がA型だから、B型だから・・・と言い出すかもしれません。

いつも相手が人間とは限らないように、天気とか血液型とかそれ自体に意志はない単なる事実に対して自分の感情が振り回されていると、結局、自分の人生は周りの環境に依存してしまうことになります。

自分の人生は自分で運転する覚悟をもって「主体的な姿勢」でいれば、私たちの身に起こることすべてに対してどう反応するかは自分が決めていいのです。

怒ってしまうことを後悔するひまがあるなら、自分で感情を選びとれるように訓練しよう

誰しも固定観念が根強く残っているので、イライラや怒りがこみあげてくるのをすぐには避けられません。そのときに客観的に自分をみつめられるかどうかが鍵になります。

単にイメージするより、声に出してしまうのが一番効果的な方法です。
「イライラしてきた!」と言ってください。それだけでイライラの対象である子どもから自分に視点が移ります。

それができるようになったら、客観的な自分との会話で解決を探っていけばよいのです。

「あなた、怒っているね」
 「そう。怒ってる。だって、何度いってもXXXがごはんの準備しないから」
「どうして準備しないんだろう?」
 「テレビに夢中だからでしょう」
「なんで夢中になるんだろう?」
 「そっちに関心がいって他のことが見えないから」
「その時間にテレビがついてなければいいんだね?」
 「そうだね。見たい番組を表にして時間を決めてみよう」

たとえば、このようなシーン。
感情が落ち着いて時間が経ってから、ごはんの準備をできるようにするために番組表を作ろう・・・と子供に話してみてください。外的環境から動かしていけば、一緒に解決する道を探っていけるでしょう。

感情のコントロールができるようになるには、まず、反応は自分で選べることを知ることから始まります。いつも子供を怒ってしまう・・・と毎回後悔しているのなら、その悩んでいる時間を「感情はコントロールできる」ことを習慣づける時間に回しましょう!

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