少し前にトヨタが総合職にも在宅勤務制度を取り入れるニュースが大々的に報じられました。このような柔軟な働き方の導入が進む一方で、米ヤフーのように今まで認められてきた在宅勤務を禁止する動きもありました。

テレワークが可能か?とにかくやってみなければわからない

私は自分の意でなく遠方へ引越すことになったことを会社に相談したところ、CEOはこういいました。

「私たちはIT企業だし、ひとつの試みとしてテレワークができるのか試験的にやってみよう」

うまくいくかどうかわからない。
でも新たなことに挑戦して、その結果どうなのか確かめてみよう。

この言葉にはとても勇気づけられ心から感謝しました。
私は新しい環境に多少戸惑いながらも、今までと同じように仕事を続けることで心の安定を図っていたのかもしれません。

実際に在宅勤務をする者として、多様な働き方が広がってきたことはとても嬉しく思います。
ただ、Yahoo!のマリッサ・メイヤー氏の言うこともある意味うなづけるのです。

在宅勤務のメリットとデメリットって?

在宅勤務の利点は、まず時間を効率的に使えることでしょう。
会社の往復にかかる通勤時間がまるまる必要なくなります。

通勤がなくなることは、時間だけでなく「満員電車のストレス軽減」や「車を運転しないガソリン代の削減」、「環境のエコ」にも繋がります。

また、よくメリットとして挙げられるのが「家族との時間を増やせること」。
特に子どもが小学生になると、俗にいう「小1の壁」に直面します。帰宅時間に在宅できる利点は大きいでしょう。

一方、デメリットは「プライベートと仕事のけじめがつかない」自己管理の側面や、上司から見えないところで「人事考課をどのように進めればよいのか」など会社側の管理課題があげられます。

そして、私が一番難しいと思うのが「チームで働く」ということ。
さまざまなツールを駆使しているので離れていてもコミュニケーションが可能ではあるのですが、「人間って言葉だけで繋がっているものではないんだなぁ」ということを痛切に感じます。ちょっとした雑談から想いや気持ちを受け取ったり、相手の表情や顔色から感じるものって思いのほか多いのです。

おそらく普通に生活していたら特に気にもならないことですよね。
私は在宅勤務をしたからこそ気づけたこと。
環境を変えてはじめて自分のいたところがはっきり見えることってありますね。

無意識のうちに人は潤滑油を差してコミュニケーションの滑車がスムーズに動くようにしているのかもしれません。

多様な働き方が求められる時代が来ている

Yahoo! CEO マリッサ・メイヤー氏のメモ(抜粋)

Some of the best decisions and insights come from hallway and cafeteria discussions, meeting new people, and impromptu team meetings. Speed and quality are often sacrificed when we work from home. We need to be one Yahoo!, and that starts with physically being together. 引用元:
Here’s The Confidential Memo Yahoo Sent Employees About Working From Home

「最善の決定と洞察は、廊下やカフェテリアでの議論、新たな人との出会い、即興のチームミーティングから生まれます。 在宅勤務はスピードと品質がしばしば犠牲になります。 私たちYahoo!はひとつになる必要があります。それは物理的に一緒にいることから始まります。」(著者意訳)

彼女のこの言葉の本質は別にあるという見解もありますが、もしそうであっても社員に伝えたこの言葉に嘘はないと思います。

ことのほか、IT企業はスピードが命。 コミュニケーションの量と質をどれだけ上げられるかが鍵となるでしょう。 Yahoo!のケースは極端かもしれませんが、同じ空間を共有することはやはり必要だと感じます。 人と人をつなぐ技術が今後より一層向上してもなお、リアルなコミュニケーションを上手に組み合わせて成果を出すスキルが求められます。

企業や個人がそれぞれ模索しながらも、多様な働き方を受け入れざるを得ない時代がもうそこまで来ています。

そのとき必要なスキルは?心構えは? 
この大きな波をどのように超えていけばよいのか、ひとりひとりが考える時に来ています。
そのような時代を迎え、私たちが何を準備すればよいのか考えたことを以下の記事でお伝えしています。

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