在宅勤務のメリットとして、「家族との時間を増やせる」というものがありますが、それは、通勤と比べて仕事外の時間に家族と過ごす時間が多少増える、というくらいに考えたほうがよいでしょう。朝夕保育園にお迎えにいく必要がない分、少しは接点が増えるかもしれませんが、終日子どもの世話をしながら仕事ができるというのは妄想です。
これはあくまでも母親が在宅ワークをしていることが前提です。
父親であれば事情は違うかもしれません。
例えば、母親が専業主婦で家にいながら父親が在宅ワークをしている場合はまた違ってくるでしょう。あくまでも私(母親)が在宅ワークをしている経験上お伝えするものです。
子どもにとって母親が家にいることは母であることを求める
子どもの目線で考えると当たり前かもしれませんが、母親がパソコンに向かっていようが何をしていようが、家にいるということは「母として家にいる」ということとなんら変わりはありません。
こちらとしては「今は仕事の時間」と区別していても子どもにとってはそんなこと関係ないのです。家にいる母親に甘えてくること、泣いて訴えてくること、それはいつもの日常と変わりないことなのです。
理解ができない子どもにイライラしてあたってしまう
私の場合、企業の正社員として在宅業務をしているので、同僚とのWeb会議もあれば、お客さまから電話がかかってくることもあります。「今からお話しするから静かにしてね」といって素直に聞く年齢ならいざしらず、未就学児であればそんなことどうでもいいことなのです。
何か不快なことがあって急に泣き出すこともあるし、お絵かきがうまくできて「ママ、見て見て!」と楽し気に駆け寄ってくることもあります。そんな子どもに対して「今おしごとの人とお話ししてるといったでしょ!」と声を荒げることを想像してみてください。
自分の不甲斐なさ、自責の念に苛まれる
子どもはなぜ怒鳴られるのかもわからず、ひとりで傷ついた心を抱えています。
「ごめんね」と思いながらも納期が迫っている、やらなかればならない仕事を優先するとき、自分で自分を責め始めます。
「私はいったいなにをやっているのだろう」
「子どもより優先すべきことなのだろうか」
そんな想いがどんどん大きくなり、仕事に対してモチベーションが揺らいできます。
子どもに申し訳ない気持ちと仕事に専念できないことで悪循環に陥ってしまうと育児も仕事も中途半端にしかできない自分が情けなくなってくるのです。
私は引越してきてからすぐに保育園の手続きを済ませ、家で育児をしながら在宅勤務をすることはしませんでした。それでも夏休みや病欠など保育園に行けない日に子どもの面倒をみながら仕事をしただけで、これだけ辛いのだ、ということがわかりました。
待機児童の問題を抱えていればまた別の解決法が必要でしょう。
しかし保育園に通える選択肢があるのであれば、在宅勤務であってもぜひ保育園に行くことをお勧めします。
小学校に上がれば聞き分けもよくなるし大丈夫だろうと想像していたのですが、1年生・2年生の頃は保育園時代以上に手に負えないことがありました。
おそらく心の成長とともに「お母さんは家にいるのに私のことを見てくれない」ということがわかるのだと思います。低学年のうちは長い夏休みだけ学童を受け入れてくれることもありますので、ぜひ調べてみてほしいと思います。
お母さんがお仕事しているあいだは友達と思いっきり遊び、仕事が終われば母親に戻り、めいいっぱい甘えさせてあげればいいのです。
通勤、在宅ワークにかかわらず、仕事と家庭の時間はしっかり分けることが必要です。
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