首都圏の企業が徳島県にサテライトオフィスを構え、その社員が都心と地方を行き来しながら仕事をしている光景をご覧になったことがあるでしょうか。

徳島県ではサテライトオフィスの誘致が進んでいて、主にIT企業を中心に多様な働き方が広がっています。

「デュアルスクール」という新しい学校のかたち

先日、徳島のサテライトオフィスでリモートワークするかたわら、小学校低学年のお子さんを連れて仕事をされているお母さんが取材されていました。

この方は、徳島県が実施する「デュアルスクール」のモデル事業を利用して、普段東京の小学校に通うお子さんをサテライトオフィスのある徳島の小学校に2週間通わせています。
2016年10月に事業の第一弾としてモデル試行の様子が紹介されていました。

デュアルスクールとは、徳島の学校、都市部の学校、どちらの良さも体験できる「新しい学校のかたち」のことです。 徳島と都市部の二つの学校が一つの学校のように教育活動を展開し、両校間を1年間に何度でも行き来できます。デュアルな視点を持った多面的な考え方のできる人を育てると共に「とくしま」回帰を加速します。

引用元: 「地方と都市を結ぶデュアルスクール」モデル化事業~徳島県Webサイトより
http://www.pref.tokushima.jp/docs/2016080900084/

都市部と地方を行き来する自由な働き方は、独身の方にはそれほど負担はないかもしれませんが、小さな子どもがいる家庭では一気にハードルが上がります。サテライトオフィスで仕事をする間、保育してくれる人はいませんし、まして小学生なら平日は学校に通う必要があるわけです。

そこで、徳島県は住民票の移動や転校手続きをせずに、ふたつの学校に通えるデュアルスクールを構想しました。その背景には、地方と都市で子どもを共育することで双方の良さを学び、教育による地方創生へ繋げたいという想いがあるようです。

自分の居場所はここだけじゃない、という感覚

私はこの徳島県の構想、とても素敵だと思います。
地方自治体はどこも移住者の獲得に必死ですが、支援金や助成金を用意するよりよほど魅力的ではないかしら?

すべてがガラっと変わってしまう転校以外に、子どもがいつもと違う環境で「学校」という世界を通して経験できることはまずないですよね。

「馴染めなかったらどうしよう」などと深刻に考えず、「まあ、お母さん(お父さん)の仕事場にちょっと一緒に行ってみよう」くらいの気軽さで子どもの世界をつくれるわけですから。

また、サテライトオフィスだけでなく、移住や二地域居住を試したいという場合にも、デュアルスクールを利用することができます。

始まったばかりのこの取り組みは、メリットだけでなく、実際にやってみてわかるデメリットもおそらくあるでしょう。

しかしなによりも、「自分の居場所はここしかない」という子どもたちの思い込みを少しでも減らせるのではないか、と思うのです。

いじめの痛ましいニュースを聞くたびに「逃げてもいいんだよ。居場所はそこだけじゃない」と思うけれど、子どもたちにとっては学校の友だちがすべて。自分の世界はそこしかない、と感じてしまう。

逃げたくなったらあそこに行けばいい。友だちもいる。全然大丈夫

そんな安心できる物理的な居場所、心の居場所を持つことは、子どもたちが行き詰ってなにも見えなくなってしまったときに一筋の光になるのではないかと思うのです。

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