サッカーベルギー戦、すごい展開でしたね。
本当に本当に悔しい最後でしたが、素晴らしい試合をありがとう。感動しました。
こちらは夜8時キックオフでしたが、日本は朝になったら話題でしょう。

さて、こちらの学校は9月から学年がスタートとなるため、夏休み前にはプロジェクトやイベントなどが続いています。ドイツ語に特化したウェルカムクラスに所属する娘のクラスメイトにも、何名か通常クラスに移る子がいるようです。

娘が最近参加したイベントで「失敗」について感じたことがありましたのでお伝えしたいと思います。

「部活動」は無し。先生は授業が終わればすぐ帰宅

娘はギムナジウムという日本でいうと中高一貫校にあたるところに通っています。
ドイツ独自の教育システムなので簡単に日本と比較することはできませんが、大きな違いのひとつは「部活動」がありません。

学校は「学習する」ことだけに集中していて、授業が終わればそれぞれ生徒はすぐ帰宅します。先生も授業が終わればすぐ帰宅。先日先生と待ち合わせしていたのですが、約束の時間よりも先に帰っていたことがあって驚きました。職員室もシーンとしていて。どんだけ早くみんな帰るんだ・・・とびっくり。

子供たちはお昼過ぎには帰るので、習いごとに行く子もいれば、家でゲームや勉強をする子など家庭によって様々なようです。

娘は絵を描くことが好きなので、ちょっと勉強する以外はほとんど絵を描くことに夢中になっています。動画などを駆使して研究心も旺盛ですが、まあ「何かに夢中になる」という体験はとても貴重なことだと思うので寝不足にならない程度に見守っています。

自分を振り返れば、中学は部活動一色でした。
笑顔ひとつ見せない鬼顧問のもと、毎日5時に起きて朝練、夜は暗くなるまで練習し、土日は試合、先輩からの理不尽な要求にも絶対答えなければいけない時代でした。

最近はそこまでストイックではないのかもしれませんが、今思えば勉強の記憶はほぼなくて、毎日毎日部活して靴下のあとがくっきりつくほどまっ黒こげになっていたことしか思い出せません。

「失敗はダメ」「失敗したくない」信念はどこから?

中学の鬼顧問はとにかく怒鳴るひとでした。
ミスをすれば怒鳴られるので、「失敗してはいけない」という気持ちになります。
感情と筋肉はとても親密につながっているので、気持ちがそのままプレーに反映します。

ミスをしてまた怒鳴られ、まわりの先輩たちも輪をかけて怒鳴り、あげくに校庭何周・・・

こんなループで疲れ果てて何が楽しかったのかよくわかりません。
それでも負けてはいけないというプレッシャーからいつも自分を追い込んでいたし、辞める子はメンタルが弱い、という暗黙の了解もあったような。

こんな指導でなにくそ~!と上手になる子もいましたが、多くの生徒は多少上達したけれど楽しかった経験よりも最後まで逃げずにやり抜いたことに価値を置いていたように思います。

たしかに最後までやり切ったけど、この部活で何を得ただろう?と考えると、忍耐強さ以上に「なるべく失敗しないこと」「失敗はいけないこと」という思考が強くなったと思うのです。もちろん家庭で親がどのように接しているかも大きな影響を及ぼします。

家庭と教育現場が失敗をどのように捉えるか?

それは、子どもの自信に大きく左右すると感じています。

「失敗」を肯定されながら自信をつけていく子どもたち

娘の学校に話を戻すと、部活はないのですが外部の組織とうまく連携して音楽やスポーツなどのイベントを体験する時間があります。

そのうちのひとつに、サーカスアクティビティがあり、娘も面白かったらしく参加していました。アクロバットや空中ブランコでの回転など、小学生から中学生くらいまでの子どもたちが集まったショーでは、練習の成果を発表していました。

小さい子は本番で失敗したりミスが続いたりするのですが、そのたびに周囲の応援が盛り上がり、インストラクターもそれに応えます。

失敗しても失敗しても何度も何度も繰り返す姿がとても印象的でした。

日本的な感覚で完成度をいえば、「どうなの~?」というレベルかもしれませんが、失敗のあとに成功した顔はとても誇らしげ。さらにそれを応援する観客の盛り上がりが半端なく、子どもたちは満面の笑みでした。

何度失敗してもそれを肯定され、やり遂げるまで見守られることはどれだけ子供の自信に繋がるのだろうと思います。

「応援する言葉」をたくさん持っているひとになりたい

ショーのあとに戻った子供たちにそれぞれの家族や保護者たちが声をかけていました。

ドイツ語ですが意味的にはこんな感じでしょうか。

Sehr Sehr gut!!  ゼア、ゼア グーッド!!(すごくすごくよかったよ!)」

Wunderbar !! ブンダバー!!(すごい!みごと!)」

Ganz toll!!  ガンツトール (完璧!最高!!)」

Toll!! トール(素晴らしい!)」

Super!! ズーパー!!(すごい!)」

さまざまな人種がいましたが、みな労いの言葉をかけていたのが印象的でした。

このような言葉は普段生活していてもよく耳にします。
友人同士で、先生が生徒に対して、母親や父親がこどもに対して・・・。

私も日常で言葉を掛けられることが多く、
勇気づける言葉がとてもストレートだし豊かだなぁと感じています。

私はというと・・・「よかったよー」「すごかったねー」
くらいのレパートリーしか出てこなくて、ちょっと情けなくなったり。

相手を応援する言葉勇気づける言葉、もっともっと広げていきたいなぁと思います。

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こちらは2年ほど前に優勝したFCバルセロナの選手が日本の子供たちを励ます動画。
大人たちから応援されて育った子はこうして周りを勇気づけるんだなぁと感心しました。
文化的な違いもありますが、教えられることがいっぱいありますね。

W杯の感動冷めやらぬ中、この動画を思い出しました。(※音がでますのでご注意くださいね)

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