ベルリンはここ数日は気温が下がって朝晩はニットやジャケットを着てるひとも。
夜は9時頃まで明るくて「え、もうこんな時間!」と寝るタイミングを外しまくってます。
さて。
みなさんは「ラマダン」ってご存知ですか?
私が住むところでは、イスラム教をはじめ様々な宗教を背景にもつ人が暮らしています。
イスラム歴で9月を意味する言葉で、イスラム教徒は断食をします。
ラマダン期間、食べることも水も飲まないイスラム教徒
ドイツ生活で初めてのラマダンを迎えた先月5月、ドイツ語の学校でもあるイスラム教徒から話題にあがりました。
「今日からラマダンなので食べません」
えー!と驚いたもののドイツ人の先生や他の国籍の生徒はいたって冷静。
「ああラマダンね。いつまでだっけ?」
その日からほぼ1カ月、日があるうちは食べるのも水も禁止。
食事ができるのは日没後とのこと。
そうだよね。1カ月断食なんて尋常じゃないし。
でも今時期、夜は明るいしいつ食べれるの?と聞いてみると
午後9時から午前3時の日が出ていない時間に食事をするのですって。
たしかにその日から私の家の近くでも夜中じゅう話声が聞こえていました。
ラマダン中は食べものはもちろん、水も(唾も…!)飲んではいけないそうです。
ただし、病人や妊婦などはこのとおりではなく、ラマダンでも普段どおりに食事をすることができるし、色々な条件があるみたいですね。
ラマダーン(アラビア語: رمضان ペルシア語: 発音:Ramazan )は、ヒジュラ暦の第9月。この月の日の出から日没までの間、ムスリムの義務の一つ「断食(サウム)」として、飲食を絶つことが行われる。イスラム暦で9月を意味するラマダーンに、コーランが預言者ムハンマドに啓示され、イスラム教徒にとって、ラマダンは「聖なる月」となった。この月において、ムスリムは日の出前から日没にかけて、一切の飲食を断つことにより、空腹や自己犠牲を経験し、飢えた人や平等への共感を育むことを重視する。
引用元: ウェキペディア「ラマダーン」より
学校でも宗教にのとって食事をしない子供たち
イスラム教徒は大人だけではなくもちろん子供たちもいます。
小学生や中学生はどうしているのか?という話のついでに、娘にもラマダンの話をしました。
「なんで食べちゃいけないの?」
「なんでそんなことするの?」
日本人からしたら驚きますよね。
でも世界中にはいろんな宗教があって、その教えに従って生活しているひとがたくさんいる。
他の宗教の考えが自分では理解できないなぁ…と思うことでもその人たちにとってはすごく大切にしているものだからお互いを尊重することがとても大事。
そんなことを話しました。
翌日、娘のクラスメイトにも食事をしない子がいるとのことでした。
子供だからといって特別ではなく、大人と同じように断食をするんですね。
ただ、ドイツ人の小学生教師から聞いた話によると、小さいうちは周りは食べているのに自分は食べられない葛藤や自制心がまだ確立されていないこともあり、学校でイライラする子や問題を起こす子供もいるとのこと。
すべての子がそうではないと思いますが、まだ小さい小学生が親元を離れても断食する姿を思うと、宗教の力がどれだけ彼らの暮らしに影響を与えているかを感じずにはいれません。
人の価値観を受入れられなくても「理解」することとは?
この期間、クラスメイトでも休憩時間に教室で寝ているひとが何人かいます。
先生や他宗教の生徒は普段どおり軽食をとります。
遠慮するとかそういうことはもちろんなく。
わたしはわたし。
あなたはあなた。
相手への気遣いも忘れずに、自分の生活は淡々と過ごす。
個人が一番大切でありながら、他を尊重するという感覚があります。
ドイツの日常ではひとそれぞれの宗教が違うことに違和感を持つことはあまりありません。
ヒジャブなど外見で宗教がわかることもあれば、教会に行く習慣があることで信仰を感じることもありますが、どんな信仰をもっていても信じているもので判断するのではなくて、「その人自身がどういうひとなのか」を重視する風潮があるように思います。
もちろん世界には宗教による争いは未だあるし大きな課題であり
ドイツでも移民に様々な感情を持つひとがいることは事実です。
それでも子供たちが過ごす学校の中でも社会の縮図があって、人はそれぞれ違うということを日常の生活から感じます。
ひとは違うことが基本であって
そこから「理解する」「分かり合う」努力をスタートする
宗教も考え方も違うことがあたりまえなので、ひとと違うことに違和感がありません。
彼らの価値観を自分が受け入れることはできなくても相手を理解しよう、話を聞こうという姿勢が生まれるんだなあと感じます。
ラマダンをきっかけに、娘とそんな話ができた貴重な時間でした。
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